10:無常因果的終結(終末)

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「まあ、待て。まだ質問に答えてはおらぬだろう? そもそも、なぜ儂が五行盟(ごぎょうめい)などというものを作ったと思う? 睡龍(すいりゅう)の地を守るという大義名分のもと、妖邪(ようじゃ)退治にかこつけて復活のための養分を補給するため。儂が蘇るための都合のいい養分を管理するため。そして、儂に歯向かえるほどの強力な存在は、復活の前に確実に消しておくため――」  当然といえば当然なのだが、よもや五行盟(ごぎょうめい)を発足させたときから既に瞋九龍(チェンジューロン)には火龍の意識しかなかったのだ。つまり、五行盟(ごぎょうめい)は平和のためなどではなく――瞋九龍(チェンジューロン)の、火龍の都合によって作られたということになる。 「それで先ほどの話に戻るわけだが。まあ、なんだ? 清林峰(せいりんほう)はつまるところ、強大になりすぎた。奴らは傷を癒やし病を快癒させることに長け、尚且つ雷まで操ることができる。とんでもない厄介な相手だった」 「まさか……! それだけの理由で!?」  遠くで見守っていた清粛(チンスウ)が叫んだ。  一瞥もせず、瞋九龍(チェンジューロン)は言葉を続ける。
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