10:無常因果的終結(終末)

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「一つ――いや、二つ聞いてもいいか」 「なんだ? 小僧」  煬鳳(ヤンフォン)はいつ尋ねようかとずっと考えていた言葉を瞋九龍(チェンジューロン)に向ける。 「彩鉱門(さいこうもん)を滅ぼそうとしたのもお前の仕業だな?」 「半分はな」 「半分?」  意外な答えに、そして意外にも彼が素直に答えてくれたことに煬鳳(ヤンフォン)は驚く。 「儂にとって彩鉱門(さいこうもん)の技術は邪魔でしかない。なにせ、儂の体を傷つけた瞋九龍(チェンジューロン)の槍もまた、万晶鉱(ばんしょうこう)の宝器であったからな。同じことを二度と起こさせないために、万晶鉱(ばんしょうこう)を扱う門派などというふざけた奴らは滅ぼしておく必要があった」 「なら、もう半分は?」 「そこまで言う義理はないな」  なぜか含みのある物言いで、瞋九龍(チェンジューロン)は笑う。  ――妙だ。  やけにあっさりと認め、やけにすっぱりと突っぱねた。恐らくは『もう半分』の中に理由があるのだろうが、少なくとも半分というからには恐らくもう半分は彼の仕業ではない。  自ずと導き出される結論をいったん脇に回し、煬鳳(ヤンフォン)は二つ目の質問を投げかける。 「なら二つ目。黒冥翳魔(こくめいえいま)をこの黒炎山(こくえんざん)に封じたのは、火龍復活のための養分にするためか?」
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