10:無常因果的終結(終末)

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 抱き合う二人はゆっくりと体を離し、互いに柔らかく微笑みあった。 「…………阿黎(アーリィ)、もう一度父と呼んではくれまいか」 「!?」  少し恥ずかしそうに言った静泰還(ジンタイハイ)の言葉を、煬鳳(ヤンフォン)は聞き逃さない。  凰黎(ホワンリィ)は僅かに瞠若(どうじゃく)し……………………長い沈黙のあと、晴れやかに微笑んだ。 「それは、嶺主(りょうしゅ)様がきちんとお怪我を治されたときまでお預けにしておきます」 「……」  微笑む凰黎(ホワンリィ)静泰還(ジンタイハイ)は絶句していたが、むしろ煬鳳(ヤンフォン)は安堵感に満たされている。  僅かな意地悪を口にする凰黎(ホワンリィ)と、静泰還(ジンタイハイ)との距離が縮まったように思えたからだ。  しかし、大切なのはこれからだ。  家族としての彼らの一歩はまだ始まったばかりなのだから。
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