11:然后鳳凰抱鳳雛(そして鳳凰は鳳雛を抱く)

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 瞋九龍(チェンジューロン)の身体は首が落ちたあと、みるみるうちに骨と皮になり、まるで何百年も昔からそこにあったかのように石のようになり、そして砂になった。風が吹くたびにさらさらと散ってゆき、既に彼の鎧と僅かな土くれを残すのみ。 「お爺様は……もうとうの昔に亡くなっていたのですね。恐らく、火龍に完全に乗っ取られた頃……」  じっと砂と変わりゆく瞋九龍(チェンジューロン)を見ていた瞋熱燿(チェンルーヤオ)がぽつりと零した。 「そうだな。それでも、彼が火龍を倒したことに変わりはない。彼が居なければ火龍を封印できなかったろうし、様々なことはあれど今日に至るまでこの地が無事であるはずもない。それだけは変わらない事実」  そんな瞋熱燿(チェンルーヤオ)を慰めるように、鸞快子(らんかいし)が続けた。  火龍の心智は失われ、睡龍(すいりゅう)の大地に横たわるのは眠れる龍の肉体のみ。  龍の身体は翳炎(えいえん)と共に生き続けてはいるが、龍の心は死んだのだ。二度と目覚めることはないだろう。  結果的に煬鳳(ヤンフォン)は、ようやく目的を果たすことができたのだ。  万感の思いを込め、火口で燃える翳炎(えいえん)煬鳳(ヤンフォン)は見た。 「煬鳳(ヤンフォン)」  凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)の肩を抱き、煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)を仰ぎ見る。  穏やかな表情の凰黎(ホワンリィ)煬鳳(ヤンフォン)を見つめていた。 (終わったんだ……)
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