11:然后鳳凰抱鳳雛(そして鳳凰は鳳雛を抱く)

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 万晶鉱(ばんしょうこう)は危険な代物だ……どれほど危険かは既に凰黎(ホワンリィ)が幼い頃の話からも、そして彩鉱門(さいこうもん)彩藍方(ツァイランファン)からも嫌というほど聞いている。  それなのに――万晶鉱(ばんしょうこう)を見つけたという話が本当なら、大変なことになってしまうだろう。 「それで、万晶鉱(ばんしょうこう)を見つけた人たちは大丈夫なのですか?」 「公子、それが……」  急に門弟の表情が沈痛な面持ちに変わる。 「万晶鉱(ばんしょうこう)に触れたものはみな、目から耳から、ありとあらゆるところから血を流し、絶叫しながら倒れ伏したそうです……!」  まさか起きて欲しくない出来事のうち、最も最悪な事態が起こってしまうなど、いったい誰が予想しただろうか?  万晶鉱(ばんしょうこう)の事実を知る煬鳳(ヤンフォン)凰黎(ホワンリィ)、そして彩藍方(ツァイランファン)を含む彩鉱門(さいこうもん)の門弟たちはみな言葉を失ってしまった。  万晶鉱(ばんしょうこう)に触れた人々も心配だが、最も大きな懸念事項は他にある。それは、押しかけた彼らを抑えるはずの、凰神偉(ホワンシェンウェイ)翳黒明(イーヘイミン)、それに彼らと共にいる小黄(シャオホワン)の状況だ。彼らがいるならば、きっと原始の谷を開くなどということはしないはずだ。しかし現実は門派の者たちが開いた原始の谷になだれ込み、万晶鉱(ばんしょうこう)に触れたという。  小黄(シャオホワン)は、凰神偉(ホワンシェンウェイ)は、それに翳黒明(イーヘイミン)は無事なのか――?
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