07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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「人聞きが悪い。私は弱っている翳白暗(イーバイアン)の心にちょっとだけ寄り添ってやっただけさ。何も我慢などすることはない、欲しいものがあるならば、奪えばいい。なにかを傷つけることを恐れてはならない、欲しいものがあるならば全てを壊してでも手に入れろ、ってな。結局、その言葉に傾いたのはあいつの弱さのせいさ」 「お前、このっ……!」  翳黒明(イーヘイミン)は剣を抜き閑白(シャンバイ)に斬りかかろうとした。しかし、さきほど生み出された翳冥宮(えいめいきゅう)の人々がその前に立ちはだかると、剣を振りかぶることができず、後退る。 「宮主(ぐうしゅ)に婚約の話を持ち掛けたのも私さ。富豪をその気にさせたのも私。婚約の噂をあちこちに流しまくったのも……」 「髪飾りのことを……あのとき俺に嘘を教えたのもお前だったな!」 「……それは違う」  真顔の閑白(シャンバイ)は呆れたように吐き捨てる。  突然思いもよらぬところで閑白(シャンバイ)に否定され、それまで烈火のごとく怒っていた翳黒明(イーヘイミン)から不意に怒気が抜けた。 「なんだと……?」  閑白(シャンバイ)は面倒臭そうな顔で「何でもかんでも私が嘘を言ったと思われても不本意だ」と続ける。 「全てを私のせいにするんじゃない。いいか、髪飾りのことについて私はいっさいの嘘は言っていない。翳白暗(イーバイアン)は確かに『想い人のための贈り物』を作っていたんだからな」  不敵に笑う閑白(シャンバイ)
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