07: 海誓山盟明和暗(不変の誓い)

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「せめて貴殿だけでも彼の力になってやりなさい。彼はいま、一人なのだから」  と、やはり煬鳳(ヤンフォン)は背中を押し返されてしまった。 「ああもう、師兄の身体なんだから、絶対無茶するなよ……!」  小さい声で彩藍方(ツァイランファン)がそう言ったのが聞こえたが、流石に空気を読んで大声では叫ばなかったようだ。無慈悲にも聞こえるが『命を懸けてもあいつを倒せ』というよりはまだ『無茶するな』のほうが翳黒明(イーヘイミン)にも優しいかもしれない。  翳黒明(イーヘイミン)閑白(シャンバイ)とは互いに構え、睨みあっている。  閑白(シャンバイ)は強い。煬鳳(ヤンフォン)も首の痣のことがあったとはいえ閑白(シャンバイ)に一矢報いるのが精一杯で凰神偉(ホワンシェンウェイ)でさえも本気の閑白(シャンバイ)に押され気味だった。  対して翳黒明(イーヘイミン)は借りている体の制限を受けており、本来の自分の力の全てを使うことはできない。  それでも翳黒明(イーヘイミン)閑白(シャンバイ)を睨みつけ、はっきりした声で言い放った。 「お前は百年にわたって俺たちを、翳冥宮(えいめいきゅう)の人たちを傷つけてきた。その責めは負って貰おう」 「はっ、よくもまあ被害者ぶるものだな?」  閑白(シャンバイ)はそんな翳黒明(イーヘイミン)の言葉を笑い飛ばす。 「元はといえば自分で蒔いた種だろう。お前が一度でも問題に真摯に向き合っていたのなら結果は違ったのではないか? 結局、お前は自分がやってきたことのツケを、私に転嫁しようとしているだけだ!」 「それでも……っ」
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