8人が本棚に入れています
本棚に追加
雨音を聞いていると、いつも母のことを思い出す。私が小学二年生の頃に交通事故で亡くなった母は、私が病気になるたびに薬を飲ませるのに苦労していた。
そして、私は誰よりも優しかった母から最近、あることを教えてもらったことに気付いたんだ。
記憶の中の母はいつも穏やかで、いつもニコニコと笑っていた。亭主関白だった父に文句一つ言わず、家事をこなして私の世話をしてくれていた。
幼い頃の私はよく病気をした。体が弱かった。保育園や小学校でインフルエンザやノロウイルスが流行ったら必ずかかっていた。
その度に母は仕事を休んで病院に連れて行き、看病をしてくれた。父や祖母は「移ると嫌だから」と言って私に近付くことはおろか、私が病気の間は家に帰って来ることもしなかった。
最初のコメントを投稿しよう!