8人が本棚に入れています
本棚に追加
小学二年生の夏頃だったと思う。何の病気かは忘れてしまったけど、私は熱を出して学校を休んでいた。母は付きっきりで看病をしてくれた。
氷嚢を用意してくれて、汗をかいたらタオルで拭いてくれた。食事も自分のご飯は後回しで、私の食べるお粥やうどんなどを作って先に食べさせてくれた。
「香織、お薬飲もっか」
母が病院から処方された薬を取り出す。処方されたのは粉薬。水を入れて溶かして飲む薬だ。味はとても苦い。
「嫌!!」
熱でボウッとしていたはずの私は大声を上げ、部屋から逃げ出す。苦いこの薬を飲むのが私は大嫌いだった。まあ、子どもはみんなそうなんだろうけど。
「香織、薬飲まないと病気治らないよ?いつまで経っても学校行けないよ?」
最初のコメントを投稿しよう!