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「熱を出した子どもを置いて外出するなんて」
葬儀の間、ずっと父と祖母は母の悪口を言っていた。私は、自分のせいで母はいなくなってしまったのだと、ただ悲しくて泣いていた。その時に食べたチョコレートアイスは、おいしいとは思えなかった。
あの時、母がどうしてチョコレートアイスを買ったのか、ずっとわからなかったんだ。でも大人になって、母と同じ薬剤師になって、子どもを持って、ようやくわかったよ。
「そうちゃん、このアイスクリームと一緒に食べてみよう。一口だけでいいから!」
草太の目の前でチョコレートアイスを開け、粉薬をチョコレートアイスの中に入れて包む。そして、それを一口草太の口の中に入れる。
「甘〜い!」
嫌がっていた草太の顔が明るくなっていく。そう、これは母が見つけた薬の苦味を抑える方法。母が一生懸命私のために見つけ出してくれた方法だ。
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