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 ダメだと言ったのにそれからは執拗にそこを責め弄られた。  その場所を押されると何かはわからないが出そうになる。出してしまえば楽なのに出口が見つからなくてもどかしい。苦しくてたまらないのだが同じくらい気持ちがよくて、積み重なるそれでおかしくなりそうになる。  突き出した尻を無意識に振りたてて弘樹はよがった。シーツを握り乱しながら、閉じられなくなった口元からはっはっと熱い息をこぼして。  マナブの手がまわされ、弘樹のしとどに濡れた前を握る。 「あっ、いくっ!」  高まりきった身体が直接の刺激にぶるっと震え、汗が吹き出した。  しかしマナブは手を離してしまった。あの爽快な解放感を感じられると思っていた弘樹は、視線で名残惜しくマナブの手を追う。 「弘樹……僕のことそんなにあおらないで」  困ったなと、少し情けなく笑ったマナブだったがやめるつもりなど端からなさそうだった。   力強く弘樹の腰を引き寄せると、その張り出した頭を少しずつ埋め込んでいった。ぐぐっと体重がかけられミチミチと肉が裂ける幻聴が聞こえる気がする。 「うくっ……いっ、たい……いたいよ……」  圧倒的な質量にこじ開けられる苦しさに弱音がこぼれる。涙がしみ出してくる。 「もう少しで全部入る」  吐息の混じったマナブの声がすぐそばから甘い蜜のように垂らされた。 「ほら……全部入った。ここまで。感じる?」  腿の裏にぴったりと密着するマナブの熱い肌を感じる。  尻の肉を硬い筋肉の塊にむにと押し上げられて一層結合が深くなった。まるでみぞおちまで入り込んでいそうな杭の深さに、弘樹はおののき息をつめた。 「声、我慢しなくていいから、息を吐いて……」  ただ無垢な雛鳥のように、弘樹はマナブの言葉にすがった。言われるがままに喉を解放したら、自分のものではないような高い声が漏れだした。いったんは萎えてしまった前をマナブの大きな手が包み優しくあやされる。その快感を拾うように導かれ、いつしか揺らされた身体は、弾むように動いていた。水たまりを跳ねまわるような音が間断なく響く。  引き延ばされた痛みの感覚はもう無くなっていた。ただ苦しくて、痺れていて、時折あの場所を押しつぶされるとぶわっと汗が吹き出して、また何かが出そうになる。  気持ちいいのかはわからない。でも圧倒的な力に屈し、すべてを明け渡してしまうのは心地がよかった。解放されていると感じた。炎上騒ぎからも何もかも、現実の嫌なことすべてから。 「あっ、あ、もっと……もっとしてっ」  あられもなく泣き叫びながら、弘樹はマナブをねだった。ベッドの上にひっくり返され大きく足を広げた上にのしかかられる。動けないままひらすら熱い塊を打ち込まれ、閉じられなくなった口から舌をすすられる。  ふたりはこれ以上ないほどに溶け合い、濃密に絡み合った。
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