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こんなに走ったのはいつぶりだろうか?
和真の部屋に着いた私は、息を整えながら、その場に座り込んだ。
「間に合った。」
「だから、はぁ...何によ。」
すると、和真は座り込んでいる私の目線に合わせて言った。
「誕生日おめでとう。雅。俺たちが産まれた時間に言いたくてさ。」
私は腕時計の時刻を確認した。
〝午後4時13分〟
それは私たちが、この世に生を享けた時間だった。
「覚えてたんだ。」
「当たり前だろ。雅、立てるか?」
私は和真に支えられながら立ち上がった。
「後ろ向いて。」
すると、和真は私の首にネックレスをつけた。
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