もし、運命があるとするならば、アイツは私に惚れているはずなのに、アイツは私に見向きもしないから、私は運命を信じない。

2

「本当に最低だよね。近くにこんなに可愛くて、和真しか見てない女の子がいるのに気づかないなんてさ。」

「ごめん。本当にごめん。」

「でも好き。大好きだよ、和真。」

私は和真に抱きついた。

「ほんとに？」

「ほんとに。」

「俺の彼女になってくれるのか？」

「和真じゃないと嫌だ。」

「俺、二度と離さないよ？」

「離さないで。私がどこにも行かないように私だけ見て。」

「ん。わかった。」

和真は私の唇にそっと口づけした。

「やっぱり、慣れてる。」

「それは...」

私は和真の腕を引っ張り、不意打ちでキスをした。

「雅/」

「これで許してあげる。」

私は満足気に微笑んだ。

今なら信じてもいいかもしれない。
私たちの運命を。