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春が訪れ、そして……
朝陽が事故で亡くなってから……半年
美緒は、悲しみの中、大学を受験し
大学生になった。
地元を離れ、大学近くのアパートで
一人暮らしを始めた彼女。
地元の大学に進学した親友智美は
朝陽の親友の聡という彼氏が出来たそうだ。
大学生活も慣れてきた六月、
智美から美緒へ連絡が入る。
「美緒元気? ちゃんと食べてる?」
「元気だし、ちゃんと食べてるよ」
と返事をする美緒。
「ね……美緒、今年の夏……
帰省はどうするの?」
「う……ん」と口を濁す美緒。
「え? まさか、帰省しないとかないよね?」
と驚く智美。
「そうじゃないけど……」
「朝陽君、
朝陽君の初盆 一緒にお参りに行こうよ
どうせ、美緒一人じゃ行けないでしょ?」
と智美が美緒を誘った。
「智美……ありがとう」
「じゃあ、帰省の時期が決まったら
教えてね」と言うと智美は電話を切った。
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