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再会
「ただいま~ 今日も暑いよ」
と塾から帰宅する想汰。
鞄を片手で肩に担ぎ、片手にアイスを
持ち、自室のドアを開けた。
「え……?」
想汰は驚きその場に立ち尽くした。
目の前には、想汰の部屋のベッドサイドに
座る朝陽の姿……。
朝陽は、想汰の顔を見ると、
優しく微笑み、立ち上がり……
「よう! 想汰、久しぶりだな」と言った。
「朝陽さん……何で? どうしたの?」
と驚き笑顔になる想汰。
「想汰、おまえ大きくなったな……。
イケメンになって……。いくつになったんだ?」
「高校三年生……十八歳だよ」
と想汰が答えた。
「そうか……俺と同じ年になったんだな。
このヤロ~、俺よりイケメンになりやがって」
と懐かしそうに話す朝陽。
朝陽の顔を見て想汰が聞いた。
「想汰さん、この人、あの時の……」
朝陽の隣に立つ男を見ながら想汰が聞いた。
「想汰君、お久しぶりです。
私は、時間を管理する『時人』です」
「覚えてるよ……。そんなこと」と呟く想汰。
朝陽と時人は互いを見ると微笑んだ。
「朝陽さん、美緒さんに会いに
行かなくていいの?」
と想汰が朝陽に聞いた。
想汰の言葉を聞いた朝陽が真顔で言った。
「想汰……それは……できないんだ」
「何で? 僕には朝陽さんが見えてるよ。
だから、前みたいにできないの?
美緒先生、今でも朝陽さんのこと
想ってるのに……。ちょっとでも、
顔見せてあげれないの?」と想汰が聞いた。
「ああ、それは、もうできないんだ」
「どうして? じゃあ、どうして俺の前に
現れたの?」
朝陽は、時人の顔見ると、黙り込んだ。
時人が想汰の前に立つと彼にあることを
話し出した。
時人が話終わると、想汰は、
「そうか……そういうことか」
と言うと優しく微笑んだ。
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