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帰省
地元の駅に到着した美緒。
春にこの土地を出てから数ケ月
なのに、物凄く懐かしさが込み上げる。
駅に迎えに来ていた彼女の姉の車に
乗ると車は自宅へ向かって走り出す。
「元気そうじゃない……」姉が美緒に言った。
美緒は、窓の外を眺めながら、
「うん……元気だよ……」と呟いた。
自宅に着くと、両親が嬉しそうに
彼女を出迎えた。
「美緒お帰り」と母親が言った。
「お父さん、お母さんただいま」
と少しはにかみながら美緒が答える。
久しぶりの家族揃っての夕食……
寡黙な父親も嬉しそうに、
コップに注がれたビールを飲んでいる。
姉が美緒に言った。
「美緒は、バイトしないの?」
「しようと思うけどね」
「じゃあ、こんなのは?」
とスマホの画面を姉から見せられる。
「塾?」
「そう、学習塾 結構時給いいみたいよ」
「ふ~ん、考えておくよ……
お姉ちゃん、ありがとう」
と美緒が言った。
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