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友人との会食は……
「美緒……こっち こっち」
と親友の智美が手を振った。
帰省した美緒と智美、
そして智美の彼の聡の三人は、
居酒屋で待ち合わせをしていたのだ。
「ごめん、遅くなっちゃって……」
「バイト忙しそうだね」と智美が言った。
「大丈夫だよ……
それより、二人とも久しぶり」
笑顔で二人に話しかける美緒。
「美緒ちゃん久しぶり」と聡が言った。
「聡君も元気そうで」
「美緒も元気そうだね」と智美が言った。
「乾杯~!」と三人はノンアルコール飲料の
ジョッキを翳すと一気に飲み干した。
「いや~旨いな……」と聡が言った。
「料理も美味しそう……美緒食べよう」
と智美が言う。
久しぶりの友達との再会に心が和む美緒、
笑顔で振る舞う美緒。
ふとした時に美緒は思い出す。
『朝陽の笑顔』『朝陽の笑い声』
「美緒?美緒?」と彼女を呼ぶ智美。
「あ……ごめん、何?」と聞き返す。
「『朝陽君の初盆参り』
少し早いけど、来週の日曜日にどうかな?
おじさんとおばさんにも
連絡しておこうかと思って……」
と智美が言った。
「う……ん、そうだね……
来週の日曜日だね……わかった。
わたし、トイレに行って来る……」
と席を立つ美緒。
美緒の姿を見つめる智美と聡……
「美緒ちゃん、本当にお参り大丈夫なのか?」
と聡が智美に言った。
「う……ん、でも 夏は
朝陽君が大好きな季節で、
来年も美緒と一緒に過ごしたい
って言ってたんだよね……」
と智美が呟いた。
「そうだよな……朝陽……あいつ、楽しみにしてた。
だから、待ってるんじゃないかな……
美緒ちゃんがお参りに来てくれるの」
「そうだね……美緒にもちゃんと
朝陽君のことと向き合って
前を向いてほしいもんね……」
と智美が言った。
美緒が席に戻って来た。
「何ふたりで話してたの?」
「内緒~」と智美が笑った。
「もう……」と美緒が呟く。
それから、三人は色んな話をしながら、
楽しい時間を過ごした。
「今日は、楽しかった。
ふたりともありがとう。気遣ってくれて」
と美緒が微笑んだ。
「そんなことないぞ……俺らも楽しかったしさ」
と聡が智美を見ながら言った。
「そうだよ。そんなことない!」
智美も言った。
「うん……そうだね。じゃあ、来週の日曜日ね」
と言うと美緒は歩いて行った。
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