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Prologue
宵の空に浮かぶ月が朧気に揺れている。
美しい天とは裏腹に、地では、至る所で戦が繰り広げられていた。
地面は、赤黒く、血の色に染まっている。
人だったモノが、山のように積み重ねられている。
その山の頂に、血濡れた刀を持った女が立っていた…
その時の彼女を見たものは、口をそろえて言う。
『此の世のものとは思えぬ程に、美しかった』と。
後に伝説となる、彼女の名は杜梨 月音。
最強の右腕であり、最恐の陰陽師だった…
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