古民家を選ぶ

　紹介された古民家に到着すると、想像していたよりもはるかに大きく、外観は古民家そのものではあるが、家のなかはきれいにリノベーションされており、快適に生活出来そうな印象を持った。

　きれいになってはいるが、天井や柱など、所々残されている以前の古民家そのものの素材が心を落ち着かせる。

　私たちは古さの残る一画が特に気に入って、そこを中心に暮らすことに決めた。

　家の外には庭があり、以前住んでいた住人の家庭菜園の跡らしきものが残っている。

　あの家庭菜園か活用されれば食料にも困らなそうではある。

　さらにその周りは田園風景と山に囲まれ、少し行くと川があり、海にまで通じている。

　ここから隣の民家までは少し距離があり、周辺一帯がこの古民家の持ち物といえる雰囲気だ。
　都会の狭苦しい生活空間とは何もかもが異なっていて素晴らしい。

　実際に来てみて、思っていたよりも住みやすそうでよい環境だと思えた。

　それは妻も同じのようで、心なしか元気を取り戻したようにも見えた。