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極悪非道の天下人が下地を築く。それを真の英雄が発展させ良き方向へ持続させる。そのためなら、俺が悪でも構わなかった。実際、俺は間違えた。寺を焼き、大勢を殺した。言い逃れのできない事だった。だからこそ、覚悟はできた。悪に成りきる覚悟が。悪は正義に討ち滅ぼされる。それが、悪と正義のあるべき運命。
「何が可笑しい!!」
明智光秀は怒りを露わにする。それでいい。それでこそ、正義を掲げる人間だ。俺は明智光秀の問いに応じることはなかった。
「来いっ! 正義」
身体の内側から、高揚感を無理矢理にでも引き出す。明智光秀は刀を握り、駆け出した。
「いくぞ、悪!」
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