私が主人に!?

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私が主人に!?

「できたっ!」 そういって自作の楽譜を上に向ける。 私、仁科美由紀(にしなみゆき)。音楽が大好きな小学五年生。家がピアノ教室だから、小さい頃から音楽に触れてきたんだ。将来は音楽家になりたいと思っているんだ! 「次は何しようかな♪」 その時、ピンポーンと、インターホンが鳴った。 「はーい。」 ガチャっとドアを開けると、見知らぬ女の子が立っていた。 「どちらさま…ですか?」 「あなたが仁科さんですか?」 「はい、そうですけど…」 「お会いできてうれしいです。主人様(あるじさま)。」 「はぁ~?主人様~?」 「そうでございます。静岡から来ました、柿原愛美(かきはらまなみ)と申します。隣に引っ越してきました。これからよろしくお願いします。」 「私は、仁科美由紀です。よろしくお願いします。主人様ってなんですか?」 「はい。私たちの家は先祖代々、あるお仕事をやっております。」 「それは…なに?」 「ある『悪』を退治するというお仕事です。仁科家と柿原家が手を組み、『悪』を退治しております。仁科家が主に退治し、柿原家がサポートをします。柿原家は、仁科家の命令に従い、サポートをするのです。」 「えっと…命令ってどんな感じ?」 「あなたが思う命令で大丈夫です。」 「じゃぁ…今すぐ敬語をやめなさい。同じ学校に通うのでしょう?逆に怪しまれてしまうわ。」 「…わかったわ。タメで話すようにする。」 「あと、人前で『主人様』って言わないように。『美由紀』と呼ぶように。」 「了解したわ。美由紀。」 「これからよろしくね。」
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