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第6話(BL特有シーン・回避可)
胸の小さな尖りを摘むと霧島は僅かに身を震わせた。
切れ長の目を眇めて形の良い唇を引き結んだ様子が色っぽい。胸から腹に手を這わせスラックスのジッパーを下ろす。
下着ごと押し下げると霧島の躰の中心はまさに弾け出て露わになった。そこは熱く太く硬く成長して張り詰め、下腹につくほど反り返って蜜を零している。
「すごい。忍さん、こんなにしてる」
掴むと愛しい想いで頬ずりした京哉はためらいなく先端に口をつける。止めどなく溢れ出る蜜を舌先ですくい取り、敏感な部分に濃厚に舌を這わせた。
そうして愛しい年上の男を存分に味わってから赤い唇を開けて口の中に咥え込む。
「くっ、あっ……ああ、京哉……はあっ!」
「どう、したんです、忍さんって今日はすごく感じやすくないですか?」
「お前こそ……その、舌づかいは反則だぞ……くっ!」
寝室は勿論バスルームで行為に及んだこともあったが、思い返せばリビングでするのは初めてだった。だからだろう、普段と僅かながら違う状況と京哉の巧みな攻めが霧島を追い詰めていた。二人掛けソファの座面に手を突っ張っている。
更に背を反らし脚も突っ張って耐える男の姿に煽られて、京哉は惜しげもなく悦ばせてやりたくなった。挟み込んだ口内全体で霧島を擦り立てる。
霧島は京哉の喉を突いてしまわないよう耐えてくれていた。堪らなくなったように霧島が声を上げる。
「京哉、すごくいい……そこ、もっと、もっと舐めてくれ!」
「んんぅ……んっ、んっ……っん!」
思わず叫んで要求してしまった霧島は眩暈がするほどの快感に晒されていた。昨夜だって存分にしたというのに自分でも信じがたいくらい保たない。
霧島は背筋を突き上がってくる疼きを押し返せず、京哉の口内で己を膨れ上がらせる。殆ど痛みのような快感に霧島は叫んだ。
「もう、だめだ……いく、出すぞ……くうっ!」
幾度も霧島は身を震わせて放った。京哉の喉に叩きつけるように、どうしようもなく溢れた大量のものを京哉は全て飲み込む。扱いてまで愛しげに舐め取った。
手を伸ばして京哉のさらりとした髪を撫でる。整わない吐息と共に低く言った。
「すまん、京哉、あんなに。だが、そんなもの、吐き出しても――」
「分かっています、欲しかったんです。でも、これで終わりじゃないですよね?」
「当たり前だ。京哉、来い!」
肩で息をしながらも霧島のものは未だに勃ち上がったままだった。苦しいほどいっぱいにされながら誰より霧島に快感を与える。
のめり込ませて理性すら失くさせることもたびたびだった。
既に灰色の目に揺らめくような情欲を湛えた霧島に京哉は腕を掴まれる。振り回すように二人掛けソファに華奢な身を放り出された。
のしかかられ、チェックのシャツのボタンがちぎれそうな勢いで前を開けられ、ベルトを緩められて下着ごとジーンズを引き剥がされる。
京哉も躰の中心を熱く硬く成長させていた。あんな霧島を見ては堪らない。
京哉の状態を見た霧島も堪らず、ひとときも我慢できない想いで自分も下衣を脱ぎ捨てドレスシャツのボタンを外す。逞しい長身を重ねられて京哉は深い安堵を得た。
痛いくらい鎖骨を噛まれる。霧島の激情が嬉しくて愛しくて京哉はまだ乾き切っていない霧島の黒髪を掻き乱した。高く甘く鳴く。
「ああん、はぁん……忍さん、あっふ!」
「京哉、私の京哉! お前は、この私のものだ!」
歯を立てられた鎖骨だけではなく、のしかかられて霧島の引き締まった腹で成長しきったものを擦られ痛みは湧いている。
そんな痛みも京哉の脳内で疼きに変換されて下半身に流れ込んだ。
同時に霧島は滾ったものを京哉の白い腿に擦りつける。全身で欲しがる激しさに京哉は眩暈のような悦びを感じていた。
「ああんっ、そんなに、上は……忍さん、だめ!」
「気にするな、私とお前のことは皆が知っている。問題ない」
首筋も噛みつくように吸われてしまった。通常の衣服を身に着けても見えてしまう処である。押し返そうとしても長身は揺らがなかった。
所有印を赤く濃く幾つも穿たれて京哉はもう受け止めるしかない。抵抗を止めて是と取られたか更に吸われる。
自分の証しを刻み込み続けながら霧島は互いの躰の中心を扱いた。己の右手指をたっぷりの蜜で濡らすと京哉の耳元に低く囁く。
「京哉、いいな?」
言うなり霧島は京哉の細い躰を返して俯せにさせ、後ろを押し広げて露わにした窄まりに濡れた中指を挿入した。普段より荒々しい霧島の挙動に京哉は身を固くする。
粘膜に押し入ってきた指先の動きは性急すぎた。最初から長い指を捩られて京哉は思わず高い声を上げている。
「ああっ、はぁんっ! 忍さん……いや、あ!」
「何処が嫌なんだ、こんなに欲しがっているぞ。ここも、ほら、ここもだ」
淫らな躰が霧島の指を難なく咥え込んだだけでなく、蠢くそれを中に閉じ込めようとしてしまっているのは分かっていたが、京哉は自分をコントロールできない。
嫌と言いつつ長い指の動きとそれがもたらす快感に集中させられていく。耳元で低く甘い声が響いた。
「なあ、もっと甘い声を聴かせてくれ。頼む、京哉」
「そんな、あっ、ふ……そこ、いい……はぅん!」
愛しい男の促す声と巧みすぎる指づかいに、自分があっという間に堕ちてしまったことすら京哉は自覚できない。
霧島の長い指は天性のテクニックで擦り上げ掻き回している。長い指の動きに堪らず京哉はあられもない姿態を晒していた。
二本目の指が侵入してきて粘膜を抉るように動かされ、もはや京哉は自ら細い腰を前後させて快感を貪っていた。
自分の躰が霧島の指を積極的に咥え込み、深々と呑み込んでゆくのが分かる。京哉の粘膜は霧島の数指をとろとろに濡らしていた。それでも霧島は己を抑えに抑えてほぐし続ける。
「あああっ、もう、我慢できない……お願い、忍さん、入れて下さい!」
「まだだ。京哉、暴れるな。傷つけたくない。私も我慢している」
「傷つけられたい……ううん、大丈夫ですから……忍さん、欲しい、欲しいよ!」
涙を零しての訴えに指が抜かれ、代わりに酷く熱いものがあてがわれた。蜜を塗り込めるように動かされて京哉は意識して力を抜く。
だがやはりいつもと同じく霧島を受け入れるのは苦しかった。切っ先が食い込んだだけで息もつけなくなる。
「はあっ、ああっ、んっ……あっ、あっ……ああんっ!」
「すまん、京哉、我慢してくれ!」
「いい、から、奥まで突き上げて……んっ、はあんっ!」
一際高く喘いだ瞬間に霧島が一気に入ってきて満たされた。太すぎるもので粘膜は思い切り張り詰め今にも破れてしまいそうだ。
けれど霧島がくれるなら苦しさも京哉にとって悦びだった。
京哉の呼吸が整うまで待っていられなかったらしく霧島が己を引き出し、離れてしまう寸前で突き入れる。
何度か繰り返して霧島は己の太い茎に京哉を馴染ませた。この自分を傷つけないためだと京哉も分かっている。絡んしまうと思い切り芯まで貫かれた。
「あぅんっ! ああん、硬い、太いよ……気持ちいい、どうしよう!」
「お前はどうもせんでいいが、痛くはないのか?」
「いい、すごくいい、だから好きなだけして……忍さん、はぅんっ!」
激しくスライドされては何もしないでいられない。力強い腰の動きに京哉も腰を振って応える。互いに腰をぶつけるように求め合った。
あまりに快感が強すぎて頭の芯が白熱する。京哉は与えられる快感に溺れきっていた。淫らに口にして互いを煽る。
「はぁん、忍さんが太い、熱いよ……すごい、硬い、ああんっ!」
「私も、いいぞ、京哉……お前が気持ちいい、最高だ!」
張り詰めた霧島が粘膜を満たしたまま、縦に横にと激しく掻き回して芯の奥まで突いた。もう京哉は呆然として揺らされるままになっている。
唐突に突き上がってきた絶頂感を察して霧島が京哉の前を握ってくれた。腰の律動に合わせきつく扱かれる。前後を攻められて訳も分からないくらい昂ぶった京哉は夢中で訴えた。
「もういっちゃう、だめっ、あ、あんっ……出ちゃうよ、はうっ!」
「うっ、く……京哉、いくぞ、っく!」
身を揺らして放ったものを霧島は手で受け止めてくれる。それと同時に勢い締め付けられた衝撃で霧島も弾けさせていた。二度目とは思えないくらい京哉はずぶ濡れにされる。
体内の熱さを感じながら脱力しソファにぐったりと身を沈めた。
だが余韻に浸る間もなく身を返される。仰向けにされ、思い切り脚を開かされた。片脚をソファの背凭れに載せられ、もう片脚は膝立ちの霧島に持ち上げられる。
淫ら極まりない姿態を取らされて羞恥で脚を閉じようとしたが押さえ付けられた。
「こんな、何を……やだ、忍さん、嘘でしょう?」
「まだだ京哉、まだ足りん。すまん、耐えてくれ!」
何もかもが露わな格好をさせられたまま、熱い楔を一気に打ち込まれて本当に眩暈がした。貫いた状態で霧島は激しく攻める。
強引に腰を浮かさせた京哉に霧島は己のものを押し下げ突き立てていた。体内で霧島が目茶苦茶に荒れ狂っていて、攻め方から霧島が既に理性をとばしているのは分かり切っていた。
「や、ああん……はあっ! 忍さん、あぅんっ!」
「もっと私にくれ、京哉! 愛しているんだ! ああ、いい、堪らない!」
粘膜を思い切り擦り立てられ掻き混ぜられ、こね回されて京哉は自分の声さえ遠く聞きながら霧島を見上げた。汗で前髪を濡らして真剣な灰色の目が酷く色っぽい。
前をはだけたドレスシャツは象牙色の肌を見え隠れさせ、引き締まった腹から逞しい胸と喉の隆起にかけてのラインが見惚れるほど美しく男の色気を立ち上らせている。
躍動するそれらを目に映しながら京哉は予兆を感じる間もなく達していた。また奥深くで霧島も熱く放ったのを感じ取る。それでも霧島は攻めを緩めない。
「だめだ、京哉、もう私を止めてくれ! お前を壊してしまう!」
「あぅんっ! 無理……いいから、もっと……忍さん、愛してます!」
「私も、京哉、お前だけを、愛している! 壊したくない、止められないんだ!」
粘膜を突き破られるかと思うほど攻められた。京哉は意識を保つために喘ぎ続け、霧島の行為に何処までも応え続ける。
ここまで霧島を夢中にさせる自分が誇らしく、行為中も想いを伝えてくれる霧島が最近更に数を増やした気がするのも嬉しい。
この男を何処までも悦ばせたくて満足させたくて、自分も与えられる強烈な快感を貪るのを止められなくて、全身を激しく揺らされながら必死で細い腰を振った。
そのたびに霧島が端正な顔を僅かに歪める。もっと攻めてみたが殆ど力が入らず、代わりに激しすぎる霧島の攻めが加速した。
またも疼きが突き上がってくる。
「あふっ、忍さん、もう、だめ、かも……んんうっ!」
「一緒に、私も、いくからな!」
急激に快感が高まり閾値を超えた。これ以上は無理なほど霧島が力強い攻めを速くする。そんな霧島の変化を充血した粘膜でくっきり捉えた京哉はもう我慢できない。
「お願い、早くきて、忍さん……だめ、いく、いっちゃう!」
「京哉、京哉……私も、あっ、くうっ!」
さすがに京哉は薄い液体を自らの腹に零しただけだった。けれど霧島は京哉の最奥にたっぷり注ぎ込む。熱いそれは閉じ込めておけるような量ではなく、霧島の小刻みな動きと共に溢れ出した。
霧島だけでなくその感触までが愛しくて閉じ込めておけないのを切なく思いながら、京哉は今度こそぐったりとソファに沈み込む。
「おい、京哉、大丈夫か?」
「ん……大丈夫、と思います」
喘ぎ疲れて嗄れた声を聞き、霧島は慌ててロウテーブルに置いてあったグラスを手にした。ミネラルウォーターを自分で口に含み、京哉に口移しで飲ませてくれる。
そのあともバスタオルを湯で絞って京哉の躰を拭いたり、とてもではないが動けない京哉の衣服を整えたりと忙しい。
だが非常に機嫌がいいので京哉はいつも邪魔せず好きにさせている。
「風邪を引かないうちに忍さんもあと一枚、何か羽織って下さいね」
「分かった。他に何かあるか?」
「アサリを塩水に浸けて下さい」
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