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 オレンジ色の光が海面を照らしまっすぐな道筋を作る。 海との境目も濃いオレンジ色に染まり、そこから上はひたすらブルーのグラデーションが続いていた。 東京ではほとんど見る事のない、その鮮やかな色彩の変化を、 理紗子は期待を込めてじっと見つめていた。 そして手にはスマホを握っていた。 『写真も撮らなくちゃ!』 理紗子はSNS用の写真、そして、新作小説の資料としての写真の両方を 撮影しようと思っていた。 この美しい夕日の場面は、新作の小説にも是非盛り込みたい。 そしていよいよ日没のクライマックスが来た。 海に吸い込まれるように太陽がどんどん小さくなっていく。 先程まで鮮やかだったオレンジ色は、海に滲むように溶け込んでいき、 やがて消えた。 あまりにも美しい目の前の光景に、理紗子は目を奪われたままその場にじっと佇んでいた。 『なんて美しいの! ここはまるで天国だわ!』 理紗子は太陽が沈んだ後も、しばらくその場から動けずにいた。
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