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一方、石垣島はそろそろ日没を迎える時刻となっていた。
理紗子は小さなバッグだけを持ち、部屋を出た。
ホテルのプールサイドを横切り、プライベートビーチへの階段を降りる。
すると、真っ白な砂浜、そしてエメラルドグリーンの海がすぐ目の前に広がっていた。
宿泊客が何人もその浜に集まっていた。
皆夕日が目当てだ。
理紗子は砂浜に降りると、人気の少ない左側の浜へと移動を始めた。
静かに打ち寄せる波の音が、耳に心地よい。
海からは時折優しい風が吹いて来る。
理紗子はすぐ先にある、白いガーデンテーブルを目指して歩いた。
そこまで辿り着くと、白い椅子へ腰を下ろした。
『夕日はここから眺めよう』
そう思いながら空を眺めていると、徐々に太陽の高度が低くなって来た。
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