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eyes:1 空見 翔の叫び
「はぁ~あ、まーたダメだったかぁ……」
ガックリと肩を落として悲しく溜め息を零したのは、主人公の青年『空見(そらみ)翔(かける)』
外はカラッとした晴れやかな日差し。
雲一つない、いい天気だ。
けど翔は、その晴天とは真逆のどんよりとした気持ちで、帰宅への道を歩いている。
まるで、翔の所だけ雨雲が漂っているようだ。
哀しい溜め息をつきながら街の雑踏を力なく歩いていると、翔の脳内をぐるぐると巡るから。
今日も含め、これまで多くの編集者達に言われた数多の辛辣な言葉が……
『翔くん、キミの小説は時代に合ってない』
『これは売れないよーこんなん、ダメダメ』
『翔くんさ、web小説サイトに上げても全然反応無いでしょ?それが答えだよ』
悲しくて悔しいけど、これは編集者達の言う通りだった。
翔がどんなに魂を込めて書いても、読者からの反応は全くダメだったから。
それに、この前編集部に渾身の作品を持ち込んだ時は特に酷かった。
思い出すだけで、本当にムカついてくる。
それは、ハイファンタジー部門で最優秀賞を獲得した『日下部 斗真』に出会った時の事だ。
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