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翔が編集部に自分の作品を持ち込んだ時、そこに偶然居合わせたのが斗真だ。
斗真は翔の原稿をひょいと勝手に手に取ると、フーン……と呟きながらパラパラと原稿を一読した。
そして侮蔑(ぶべつ)の込められた溜め息と共に、まるで手からごみを捨てるかの如く、翔の原稿を床にバサッと放り捨てたのだ。
『ハァ~~~おえっ』
『おいっ!何すんだよ!』
翔は斗真に向かって顔をしかめ、強く怒鳴った。
自分の原稿をそんな風に扱われたのだから当然だ。
けれど斗真は翔に向かい、ニタニタと侮蔑の笑みを浮かべている。
まるで、何を言ってんだと言わんばかりに。
『あーごめんごめん。キミの作品、あまりにもつまらなくて、持ってる手が腐っちゃうかと思ってさ♪』
『なんだとっ?!』
咄嗟に怒りが沸き上がった翔は、斗真の襟首をガシッと両手で掴んだ。
いくら斗真が自分とは比べ物にならないぐらい売れているとはいえ、斗真のあまりにも酷い侮辱に我慢がならなかったからだ。
こんな侮辱は許せない。
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