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バタバタバタッ
夕飯の支度をしていると、高校生の娘が慌ただしく帰ってくる。
「ねぇ、お母さん知ってる!?」
「なになに、どうしたの?」
「あのね、恋って消費期限あるんだって!どうしよ!お母さん!どうしよ!!」
娘の言葉に私は思わず笑ってしまった。
「学校の裏山に廃神社があるからそこに言ってごらん。きっといい事あるよ。足元は気をつけてね。」
私がそう言うと娘はありがとう!と言って友達に電話をかけ始める。
そしてぼんやりと思い出すのだった。
「数十年に一度、何故かこの山の麓では"恋に消費期限があるらしい"て噂が回るんじゃよ。」
と言うおばあちゃんの言葉を。
「さあ、私もそろそろおばあちゃんに会いにいかなきゃね。」
そう呟き夕飯の続きを作り始める。
私じゃない誰かがおばあちゃんの元を訪れるんだと思うとなんだか胸が踊った。
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