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ゆっくりとドアを少しずつ開け、胡桃は尖った靴がないことを確認した。静かに室内に入り、ソファに座った。胡桃は安堵のため息をついた。
「お帰り、胡桃ちゃん」
襖が急に開き、小田嶋がニコニコ笑っていた。
「胡桃ちゃん、今日はママが帰ってこないんだって。楽しいことをしよう!」
胡桃は蛇に睨まれた蛙のように体が固くなった。
「ほーら、早く早く」
小田嶋はベルトの金具をカチャカチャと動かした。
「胡桃ちゃん、こないだテストがあったんだよね? 順位はどれくらいだったの?」
胡桃は何も答えようとしなかった。
「中学校のときにさあ、めっちゃタイプの娘がいたんだ。その子、胡桃ちゃんと同じS女なんだ。ポニーテールが似合う娘でさあ、いろんなところが胡桃ちゃんにそっくり」
気味が悪くなるくらい小田嶋は笑顔を絶やさなかった。右手を胡桃の後ろ髪に伸ばした。
「やめてください」
小田嶋は髪に触れた手を鼻に近づける。
「ママよりもいい匂いだ」
胡桃はゆっくりと後ろに下がった。
「怖がることないよ。今日は勉強ができる胡桃ちゃんでも知らないことを教えてあげるよ」
小田嶋は胡桃の左腕を掴み、襖が開いている寝室の方へ突き飛ばした。胡桃はシーツが敷かれている布団の上に仰向けに倒れた。
「胡桃ちゃん、うつ伏せになってよ」
胡桃は小田嶋の前に手を出すことしかできなかった。
「じゃあ、オレがやってあげるよ」
小田嶋はセーラー服の後ろ襟を掴み、胡桃の身体をひっくり返して、うつ伏せに寝かせた。胡桃の顎の先端が布団にめり込む。
「やっぱりね、胡桃ちゃんみたいにうなじがきれいな娘はポニーテールにしないとダメだよ」
内腿で胡桃の腰を押さえつけると小田嶋は両手で後ろ髪を束ね、口に咥えた紫色のシュシュを通した。
「これで完成!」
胡桃は悪夢のような時間が早く過ぎてくれることを祈ったが、意識は遠のいてくれなかった。
腰をくねらせて、小田嶋の体から脱出を図ろうとしても、かえって小田嶋の体に宿る体温を感じるだけだった。
ベルトが床に落ちるがする。
「きれいだね」
小田嶋は舌を出してうなじを舐めた。皮膚が汚染されていく。胡桃に為す術などなかった。
胡桃のうなじを舐め終わると小田嶋はセーラー服の左側にあるファスナーに手をかけた。剝ぐようにしてセーラー服を脱がせると小田嶋は強引にプリーツスカートを引き裂いた。
「助けて!」
「胡桃ちゃん、静かにしよう。バレたら大変だよ。胡桃ちゃん、帰る家がなくなるよ」
胡桃は精一杯の悲鳴を上げた。
「静かにしてよ!」
小田嶋は胡桃の背中を数回にわたって蹴り上げた。激しい痛みが胡桃の体に走る。
「ごめんね。カーってなっちゃってさ。違うんだよ。胡桃ちゃんのこと好きなんだよ。それだけは分かってよ」
性器を出すと小田嶋は胡桃を立たせ、ポニーテールを掴んだ。まるでブランコにでも乗っているかのように体が前に飛び出したり、後ろに下がったりするのを繰り返した。
ポニーテールが引っ張られるたびに胡桃は得体の知れない何かが体の中に侵入してくるような気味の悪さを覚えた。
助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。助けて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。たすけて。
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