第二章 模倣

24/31
前へ
/89ページ
次へ
*  さっきから、残ったタリちゃんの利用方法を考えている。毒入りクッキーでクラスメイト皆殺しも悪くないけど、やっぱり毒親を殺した方がいい気がする。『人間ごっこ』を読んでるとそんな気分になる。  あいつらが死ぬところをこの目で見るんだ。想像するだけでワクワクする。 でもなあ、あっさり死んでもらっちゃ困る。だって、死んだら、もうそれで終わりじゃない。ある意味、わたしがラクにしてあげたってことになるよね。やっぱり、あいつらに相応しいのは生きながら苦しみ続けることだよね。  『少女Sの真実』の中でナオちゃんのご両親が取材を受けてたな。わたしのゴミ親もよりも、ナオちゃんのご両親の方が優しそうだったんだ。「何をしても、償いにならない。それでも、娘の罪を償っていきたい」みたいなことを言ってた。  あいつら、なんて言うんだろう。「こんな娘、産まなきゃ良かった。失敗作だった」って責任回避するのかな。いやいや、悪いのあんたらだからね。  マスコミに囲まれて、世間の非難を浴び続ければいいと思う。もうこの街に住めなくなればいいと思う。ほとぼりが冷めたころに言い訳がましい加害者家族の手記でも出版して、さらに世間から白い目で見られたらいいと思う。  永遠に苦しめよ。面会に来たとき、バカにしてやるから。面会に来ない可能性が大だけどね。  ゴミ親が苦しみ続けるように、毒殺よりも酷いことをしないとな。  アメリカみたいに拳銃でも使えたらなあ。駅前とかでぶっ放したい。一気に五人くらい死ぬのかな。  もっと現実的なことを考えないと。ナオちゃんみたいに冷静に。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加