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私、まどかくんとマギカくんに出会っちゃった!?
泊まるまでもなかったくらい近くにある広場。
たくさん買った食べ物に埋もれつつ掲示板を覗いてみると、あの2人、現まどかと幻マギカはいた。
「葵さん、葵さん。あれ、まどか、って読めます。」
「えっ!?本当だ、『幻マギカ』もある!何だろうこれ、サーカス?」
黒いマジシャン服、黒いシルクハット。
色違いでお揃いの白いものも、描かれている。
幻惑の魔術師に狂乱の奇術師、だそうだ。
「・・・見に行く?」
「楽しいんですか?」
「これね・・・私も見たことない。」
少し遠くにカラフルな、いかにもサーカスといったテントが張られている。
そこから2人の男の子が飛び出して、そこで立ち止まる人々に話を持ち掛けている。一人、また一人とテントに吸い込まれていくのを見て、私と笑くんは顔を見合わせて進んでいった。
「あの・・・」
「こんにちは、僕、現まどか!」
「俺、幻マギカ。」
「「おねぇさんにおにぃさん、俺らの演目、見て行って?」」
2人はとても仲がよさそう。
頬を横向きにくっつけて、手だって恋人が繋ぐように優しい繋ぎ方である。
まどかくん・・・って、呼んでいいかな?
まぁ心の中ならいいよね、気を取り直して。
まどかくんは純粋に明るいけど、マギカくんは裏のありそうな笑みでこちらに迫ってくる。
「ぜぇ~ったい!面白いよぉ!」
「俺らが保証する!」
・・・そんなに面白いのなら、一度見てみようか。
笑くんもわりかし乗り気に見えるし、品定めも兼ねたほうが良いのも思い出して、問いかけた。
「・・・行く?」
「はい!」
内部には人がたくさん座って、仄暗い照明がついて、まぁ不気味。
この人数、集めるのに時間かかっただろうなー、いやどうだろうか。
中心にスポットライトが当たって、司会者らしき男の人がマイクを持って語りだす。
「さァさァ、今回の演目も、魔術師まどかに奇術師マギカの悪夢のショーでございます!試してェお客様は、どちらでェ!?」
あまり丁寧ではない丁寧語を合図に、凶悪ピエロが2人を引っ張って壇上に上がる。
まどかくんとマギカくん、どうみても痛がってるのに。
その後、少し離れて座っていた人がまどかくんの演目にかけられる。
「現を惑わすのは、だぁれ?」
「現を惑わすのは誰?」
「僕だよ、現まどかだよ!」
「君だよ、現まどかだよ。」
わりかし変と言えなくもないセリフとともに白い煙幕が上がって、男性はそれにまかれた。それが晴れると、その人は司会者の男の人に口づけをしようとした。どうやら、美人な女の人だと思っているらしい・・・。
「オイ、離れろッ!続きましては、幻マギカのショーでございます!」
「・・・幻と思いたくなるような現実を作るのは誰?」
「幻だと思いたくなるような現実を作るのは、だぁれ?」
「俺だよ、幻ッ、マギカだよ!」
気のせいかな?
途中で息を吸って言葉を強めた。
『幻惑の魔術師』まどかくんは幻を操った。
あれ、マギカくんって、奇術師は奇術師でも、何の奇術師だったっけ?
とっさに耳を塞いで笑くんにも伝える。
「・・・!君だよ、幻マギカだよー!」
まどかくんが叫ぶと、キーーーーンとした、音にも似た、とにかく苦しい刺すような体を乗っ取られるような感覚が潜り込んでくる。
目も瞑って耐えると、その感覚は止まった。
周囲の人は笑っている、だがしかしちっとも楽しそうではない。
「今回もよくやったな、まどかァ、マギカァ!とっととずらかるぜェ!」
「・・・いやだ!僕はもう、こんなところにいたくない!」
「まどか、早く!」
「うん!」
始まったのは見事なまでの逃走劇である、詰めは甘いが。
2人仲良く手を確と繋ぎ合わせてテントの奥に逃げる、から外に出るなら地図がいる!
転移してからお世話になっている幣をぶんっと振り、地図を願う。
「あっ・・・うわわわわ!」
「何ですかー、これ~‼」
可能性はあったけど、確信に変わった。
・・・超絶大量に出てくるパターンだったんですねー!
笑くんと二人して紙を踏みつけながらテントの外に出る、人が邪魔‼
ご丁寧に便利にまどかくんたちの現在地まで表示してくれているため(ほかの赤丸は知らない)、ちゃっちゃと広場を抜けて市場も抜け、川の橋まで2人を追った。
って、何この足音!
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