おでかけ日和

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 俺の所属するサークルに新入生として彼女が入ってきた。  アーモンドを思わせる瞳にすっと通った鼻筋、そして肩までかかる栗色の髪。彼女の容姿は俺が抱いていた女性像を完璧に再現していた。いや再現という言葉では足らない。彼女は俺の脳内から直接出てきたといっても過言ではなかった。  だから彼女を一目見た瞬間、俺は確信した。この子と付き合うことになるだろうと。それは言い換えれば、運命とも言えたかもしれない。  話してみると、案の定、俺たちは好物から趣味まで何もかも一緒だった。すっかり意気投合した俺たちが付き合うのは必然だったと言えるだろう。気がつくと俺はあの子の彼氏で、あの子は俺の彼女になっていた。  付き合ってから彼女にそのことを話すと、彼女もまた俺を一目見た時に運命を感じたらしい。彼女が俺にとって理想の女性だったように彼女にとって俺は理想の男性だったそうだ。  こんなところまで同じだなんて、やっぱり俺たちは結ばれる運命だったんだ。無神論者の俺でもこの時ばかりは、神様を信じたね。  待ち合わせ場所にしていた駅前には、彼女が先に着いていた。
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