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楽しい時間は風のように過ぎ去り、ファミレスの窓からは夕日が見えてきた。
「あっ、やべぇ。もうこんな時間。俺ちょっと用あるから帰るわ!」
忙しいコウの一言をきっかけに、それぞれが帰宅する雰囲気になり私たちは解散した。
小中学校が同じだから、皆帰る方角はほぼ一緒だ。
一足先に帰ったコウを除いた4人で並んで帰る。
男女の比率が例え1体3であっても誰も気にしないし、誰も何とも思っていないのがこの5人組の良いところだと思う。
「ねぇねぇ。課題どんくらい進んだ?」
はやてがシノと高校の課題の話をしていたので、自然に私とタマも同じ話をする。
はやてとシノは男女コンビなのに傍から見てもそういう関係では無さそうだなぁというのが滲み出てるらしい。
それは、単に仲がいいからだけでなくはやての見た目がかなり男性的だからかもしれない。
はやては小学校の頃からショートヘアというかベリーショートで、ずっと男子と外でサッカーをしているような子だった。
顔立ちもカッコよくて、初めてはやてに会う人は絶対に男子だと勘違いをする。
それでいて優しく、気を配れる人だから今まで男女関係なくモテていた。
「じゃ、またねー」
シノの家に着き、いつも通り素っ気ない感じでシノが別れを告げる。
「また今度ねー!」
「次も遅刻すんなよ!笑」
シノは苦笑いをして家へと入って行った。
「さてと。タマといっちゃん。今夜私の家泊まっていきませんか?」
はやてが唐突に言う。
私は何故か生唾を飲み込んだ。
「え?!まじ?良いじゃん!お母さんの許可は?」
タマが興奮気味に聞くと、
グッ!
はやてがドヤ顔で親指を立て、私たちは馬鹿みたいに騒いだ。
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