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細い肩に絹糸のような黒髪が乱れ、はらりと掛かって艶かしい。自身が着せた大きな中華服の下には先程チラリと垣間見た豊満な胸が透けて見えるようで、思わず頬が朱に染まってしまいそうだ。
女など数多抱いてきたマフィアのトップであっても動揺を隠せない、初めて覚える感覚であった。
「――私は楊礼偉。そなたがモデルをしてくれた化粧品会社を経営している者だ。今日は撮影を見に行ったのでな」
「あ……! あの会社の……社長様……」
「そうだ。たまたま撮影場所のホテルで昼食をとったのだが――偶然とはいえまたそなたに会えて良かった。担当者め、あんないかがわしいことをさせようとしていたとはな……」
楊は憤りをあらわにしたが、玉環からは思いもよらない言葉を返されて面食らう羽目となった。
「あの……社長様……私、すぐにあのホテルに戻らねばなりません……。失礼とは存じますが……その」
なんと自らホテルに帰ると言う。楊は驚いた。
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