第17話(BL特有シーン・回避可)

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第17話(BL特有シーン・回避可)

「待って――」  二段ベッドの下段から腰を上げたハイファはシドの手を留める。そっとボタンを外しながら白のワイシャツの胸に指を這わせた。 「この、制服フェチが」 「いいじゃない、脱がせてあげる」 「ん……っく……」  優しいハイファの指の動きは、ただの布であるワイシャツの感触をなまめかしいものに変える。胸の尖りを優しく嬲られると思わず呻きが洩れた。  タイを解き、ワイシャツのボタンも外した指が、するりと潜り込んで素肌を愛撫する。ハイファは象牙色の滑らかな肌を指先で丹念に撫で上げた。  上着の前をはだけてワイシャツの裾も引き出すとシドのベルトを緩める。腰に腕を巻き付け引き寄せて、ハイファはベッドの下段に腰掛けた。  目前のシドのスラックスをくつろげると、既に成長しかけた熱いものを引き出して愛しげに撫でる。そっと舌を這わせ先端に舌先を差し込むようにして舐めた。 「うっ……あ……っく」  くびれをなぞり、滲み出す透明の蜜を舐め啜ると、たちまちシドは硬く太く滾らせる。それを口に含んだハイファは窄めた口内と濡れた唇とで扱き始めた。  温かく柔らかいハイファに咥えられてシドは耳まで遠くなったような錯覚に陥る。世界が遠ざかり全ての感覚がハイファの巧みな舌づかいに支配されていた。 「……んっ、あ……ハイファ、だめだ」 「んんぅ……ん、んんっ……ん」  自らの行為に触発されてハイファが喉の奥で喘ぐ。甘くも苦しげな声で精一杯、喉元まで咥えているのが分かっているのに、あまりの快感に更に奥まで突き立ててしまいそうになる。  ハイファの肩に両手を掛け、押さえつけるようにしてシドは腰を揺らすのを耐えていた。巻きつく熱い舌の感触に疼きのピークを押し返せない。 「ハイファ……だめだ、もう……あうっ!」  訴えは聞き入れられずシドはハイファの口の中で爆ぜさせてしまう。幾度も放った濃いものをハイファは喉を鳴らして嚥下した。扱いて滲んだものまで舌で舐め取る。  更には舐め濡れ光って未だ太く滾っているシドに愛しげに頬ずりした。 「くっ……すまん」 「いいの。でも今度は頂戴……中に」  掠れた声まで愛しく明るい金髪の頭を胸に抱き締めた。髪を縛った革紐を解く。 「思い切り、壊れるくらいしてやる」  一度放ったにも関わらず情動は薄れるどころか増していた。見上げる若草色の瞳が潤みを湛え目許を上気させて堪らない色っぽさだ。チラリと唇を舐めるピンクの舌を見た途端に弾かれたようにシドはハイファをベッドに押し倒していた。    制服を引き剥がすように脱がせ、ショルダーバンドも外させて布一枚越しに胸に口をつける。 「あっ……ふ、シド……ああっ、はうっ!」  布の上から歯を立てられてハイファはビクリと躰を跳ねさせる。ワイシャツを透かす淡い翳りが堪らなくシドの征服欲を煽った。  のしかかったまま後頭部を引き寄せ、荒々しく口づける。喉の奥で喘いだハイファは舌を痛いくらい吸い上げられて身悶えした。 「んっ、ぅうっ……んんぅ」  息もつけないほどに口づけられている間にも、シドの手はハイファのワイシャツのボタンを外している。白くきめ細かな肌をシドの手が、やや乱暴に這った。  袖を抜かれ、スラックスも下着ごと引き下ろし脱がされる。押さえ付けられて組み敷かれ、覆い被さるようにして肩口に顔を埋めたシドの重みを感じながら、ハイファは眩暈がするような攻めに、羞恥と期待とで呼吸が速くなるのを抑えられない。 「んんっ……あっ、あ……あんっ!」  華奢ともいえる鎖骨から首筋のラインに幾つもの赤い刻印を穿たれると、甘い痛みに洩らす喘ぎが一層高くなる。肌に掛かるシドの吐息が熱い。 「あんまり、上だと……見えちゃう……ぅうんっ」 「構わねぇよ。俺のものだって分かりやすくていい……ここもだ」  甘く痛むほど肌を吸われた後は熱い舌先で肌を辿られ、同時に下半身を握られて、ハイファは背を反らせる。扱かれた先端から蜜が糸を引いて白い腹に零れた。  その蜜を絡めた指をシドはハイファの顔の前で踊らせる。 「どうして欲しい?」 「んっ……そんな、意地悪」 「言ってみろよ」  浅く速い息を繰り返し、ハイファは目を瞑った。羞恥にシーツを掴み締めながら、躰全体を桜色に染めて屈服する。小さな声で呟いた。 「僕に、入れて。思い切り、掻き回して……あうっ!」  挿入された指はするすると奥まで達し、抉るように蠢いた。途端に快感の海に投げ出され、発熱したように頭はぼうっとする。口から洩れる喘ぎが甘すぎて他人のもののようだ。  一方で躰は更なる快感を追い求め、勝手に腰が浮いて淫らに波打つ。  増やされる指を難なく咥え込んでゆく我が身を半ば呆然と見下ろした。幼い頃から多少のメンタルの揺らぎは感じていたが、こうしていると自分も男なのだとはっきり躰が訴えている。  そんな男である自分が男であるシドを迎え入れる準備をさせられていると思うと、堪らなく淫らな己を意識せざるを得なかった。あの快感が欲しくて喘ぎが止められないのだ。  欲しくて悶える自分は生まれたままの姿、対照的に前ははだけているがシドは着衣のままである。そんな状況さえも情欲の炎に油を注ぐ。  もう羞恥すら感じる余裕もなくなって、いつしかハイファは腰を浮かし後ろの蕾を指で攻めるシドに協力するような姿態をとっていた。 「ぅうん……あっあっ、そこ、ああんっ!」  ふいに全ての指が抜かれて不満の混じった声を出してしまう。目を上げるとシドは素早く制服を脱いでいた。引き締まった躰の全てを晒すとこちらも雫が滴り落ちそうなものをハイファの後ろにあてがう。ぬめりを塗り広げるように動かして囁いた。 「ハイファ、入れるぞ」 「ん……ん、んんっ……あっ、ああっ、おっきい、はあんっ!」  張り詰めきったシドを根元まで受け入れハイファの思考は一瞬で真っ白になった。  太く硬く熱いシドに完全に征服されていた。指とは比べものにならない圧倒的な存在感でハイファを隙間なく埋め、息づいてこれから与えられる快感を予感させる。  ゆっくりシドが腰をスライドさせ始めた。突き入れ引き出されるたびに気が遠くなりそうな快感が湧く。シドのリズムに合わせてハイファも細い腰を何度も揺らした。 「ん、あっ、ふ……いい、すごい――」 「もっと良くしてやる」 「あうっ……はぅん、シド……そんな、んんっ!」  スライドするスピードを速め、狭いそこを掻き回すようにシドは動いた。  粘膜を反り返った先で抉られ、飽くことなく貫かれ揺らされて、あまりの快感に本当に眩暈を感じながらハイファは愛し人の激しい行為を夢中で受け止め続ける。瞑ることすら忘れた目から涙が零れた。怖いくらい敏感になっている自分を感じる。  容赦なく掻き回されながら、ハイファはのしかかるようにして貫くシドの背に腕を回した。滑らかな象牙色の肌が愛しくて堪らず、しがみついて何度も名を呼ぶ。 「ああん……はぁんっ……シド、シド!」 「ハイファ、愛してる……俺の、ハイファ」 「僕も、シド……愛してる……んっ、あぅんっ!」  狭い室内に粘膜の立てる音と二人の荒くせわしない吐息、ベッドの軋みが満ちていた。突き上がってくるような疼きにハイファは堪らずシドの背に爪を立てる。 「シド……もう、だめ……シド!」 「俺もだ、一緒に……うっ、くっ!」 「はあっ……あ、ああっ……はぅっ!」  体内を熱く濃くシドに濡らされたのを感じると共にハイファも自身の喉元近くにまで迸らせていた。途端に全ての力が抜け、ぐったりと枕に頭を落とす。  何も考えられない数瞬ののち、体内のシドがじわりと動いてハイファは身を跳ねさせ、愛し人の黒い目に宿った去らない情欲を認めてきつく体内の熱を包み込んだ。締め付けられてシドが呻き、僅かにポーカーフェイスを崩す。  それからは二人とも夢中でお互いを手繰り寄せ合った。溶け混じってしまうのではないかと思うほど与え合う快感を貪る。  そうして長い長い時間が経って気付くとハイファは寝入ってしまっていた。  重く怠くて動けない身はそのままに、薄く目を開けると切れ長の黒い目が覗き込んでいる。いたずらっぽく笑った黒い目は堪らなく優しかった。 「どうする、リフレッシャ。明日にするか?」 「んー、入りたい気がするけど、無理かな?」 「俺はお前を担いで入っても構わないぜ。ただ……」 「リフレッシャだけじゃ済まないってことだね。いいよ、シド」
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