第2話「伽時雨」

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帝都新聞によると…棺に入れた遺体が「野辺送り」の最中に突然動き出して葬儀に参列している人間を惨殺するという事件が起きている。また決まって事件があるのは(雨)の日が多く…通称「屍棺屋の伽時雨事件」と呼ばれていた。 最初の内はただのガセ話しとして信じるものは居なかったが…似たような事件が各地で相次いで起こった為に…警視庁は「屍人科第三課」通称〘異能刑事部〙に「特命」をだして原因を究明するように指令を下していたのである。 これまでにわかった事は「遺体」は決まって(雨)の日に動いており…その殆どが野辺送りの最中である。そして…屍に捕食された人間は数日後に突然動き出して墓から這い出て来ると言われている。その為…犠牲となった人間も止む無く(火葬)して埋葬するが…その時に発せられる(悪臭)はこの世のものとは思えない程酷いと言われている。 こうした惨状が相次いで起る為に最近は葬儀屋も晴れた日にしか動きたくはないと話している。が…完全な晴れを狙って動いても天気というのは「時」の「運」野辺送りの最中に雨が滴り落ちる事がある。少しでも雨が降れば…棺の中に入っている人間は突然動き出して誰かれ構わず「襲う」 その為…時たまこうした事件が起きる訳である。最初の内は用心棒を雇って…対処しようと試みたものの…蘇った「屍」は常人離れした腕力をしており…普通の人間に手に追える代物ではなかった。ほとほと困り果てた「葬儀屋」は「警察」に相談し現在に至る。という訳である。
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