【一】シナゴの話

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「内閣直轄特別シナゴ対策班より参りました、遠藤(えんどう)と申します。先日の試験の結果、国内唯一の、日本人として初のバトルスーツ適合者に貴方を認定致しました。これより、三日後に迫る防衛戦に備え、スーツの試着を行って頂きます。ご同行願います」  淡々とした声で言われた。  私は吹き出しそうになった。ただでさえ世界は嘘くさくておかしいというのに、まさかの私が選ばれた? 「え、あのっ……」 「残念ですが、貴方に拒否権はない。五分待ちます。最低限の荷物をまとめて下さい」  これが契機だった。
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