死霊の館

15/42
前へ
/42ページ
次へ
 次の日、予約なしだったので3時間近く待つ事になるので近くのファミレスに入る。  ファミレスで看護婦から渡された自己診断用紙を開く。 B5用紙3枚に、チェック項目がびっしりあった。 ファミレスで2時間近く費やしてから病院へ戻る。  病院では自分の名前を呼ばれるまで椅子に深く腰掛けて、壁に後頭部をつけた あたしは歯を食い縛り激痛に耐えた。 尾てい骨を、さすりながら洗面所まで行き顔を洗った。 冷たい水が火照(ほて)った顔を心地よく醒ました。 少しだけ痺(しび)れた感覚が、正常に戻りつつあった。  汚物で汚れた顔に手に掬(すく)った水で、バシャッバシャッと叩きつけた。 『フゥ~』  顔面を突き刺すような水に思わずため息を洩らした。 ふと後方に気配を感じ視線を錆びれた鏡に転じた。 わわ 『えっ!?』 (誰の手? あたしの肩のあたりに白い手が……) あたしは反射的に振り返った。 (そ、そんな馬鹿な。誰もいないなんて?) 『しっかりしてよ!弘美。幻想よ』 私は自分を励ました。 (……でも何故? 全身の毛穴が、チリチリとするのかしら)
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4531人が本棚に入れています
本棚に追加