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「おぃ、どうしたんだい!
悲鳴を上げて?
俺は上着をかけてやっただけだ」
小田が呆れたような顔を隠しもせず、あたしを見下ろしていた。
あたしは小田から視線を外し、公園を見回した。
『フゥ』
と息を吐き出す。
「大丈夫かい?」
さっきまでの、嘔吐を含んだ不快感は消失した。
しかし今度は、不安感が押し寄せてきた。
「大丈夫よ」
あたしは、そう言いながら小田に視線を合わせた。
小田の肩越しに、腐乱した手首が見えた。
『あっ!』
あたしは、心の中で悲鳴をあげながら闇の中へ落ちていった。
突然、目が覚めた。
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