死霊の館

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あたしはベンチの上に寝かされていた。 (もしかしたら……これも夢かしら?)  あたしは身構えながら、辺りをゆっくりと見回した。  (……大丈夫そうね。 それにしても心臓に悪いわ) 「小田さん、ちょっと聞いて良いですか?」 「おお! なんだい?」 「妹は何か事件に巻き込まれたのですか?」 恐る恐る、あたしは尋ねた。  「携帯を紛失したので、紛失届けを出しに来ただけの事だよ」 「それだけの関係で、一緒に飲むのですか?」  「実は彼女が帰り際に、セクキャバの名刺をくれた。それで今日は非番で手持ちぶさただったから、その店に行ったんだ。 今はその帰りだ」 頭を掻きながら、小田が呟いた。 「で、小田さんは名刺貰ったら、せく…」 「セクパブだょ」 「そんな店に行くのですか?」 「普通は行かねえよ」 小田が戸惑ったように行った。
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