死霊の館

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 由美のヘルプとして来た楓(かえで)は、愛嬌のある女であった。 『何か飲む?』 『えぇ、ありがとう』 楓が右手を上げた。 ボーイがボックスに来た。 『いつもの……』 楓が呟いた。 『前金千円』 とボーイが告げた。 私は千円払った。  『由美ちゃんは、人気者だね。でも楓ちゃんも人気があるんじゃないのかい?』  『えぇ、由美ちゃんほどじゃないけど。あたしも結構指名があるんだよ』  楓ちゃんから由美の事を聞き出したが、あまり彼女も由美の事については知らなかった。
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