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~プロローグ~
「かめさんかめさん!」
ボクが気安くそう呼びかけると、目の前にいるかめさんはボクをにらみつけながら、だるく返事を返した。
「あ? なんだよ、うさぎ野郎?!」
口悪く言ってくると、かめさんはボクに一歩近づく。
そして、すぐにボクはかめさんに注意をする。
「あ! ダメだよかめさん!! 「野郎」なんてそんな悪いこと言っちゃ!」
ひとさし指を突き出して注意すると、かめさんはそんなボクの言ったことなんて無視して、全く反省をせずに、続けてボクにさっきよりひどい悪口をぶつけてくる。
「はぁ!? うるっせぇんだよテメェはよぉッ?!」
それだけを言い残してから、かめさんはトコトコとボクのみえないとこまで、気づけば行ってしまっていた。
――ボクは、悲しくなった。
明日はせっかく待ちに待った試合だから、仲良くしようと接したはずなのに、まるで喧嘩みたいに終わってしまったから。
ボクは、すごく悲しいんだ!
だから、絶対に今日までに仲直りしてみせる!!
うさぎはその決意を胸に、かめを探しに、全力疾走で走り出した。
持ち前の、ピョンピョンと飛べる素早い足を生かしながら。
かめを探して、必死に猛進するのであった。
***
ここは、 動物たちが暮らす世界。その名も、ピュアフレンズ!
それぞれがハッピーな思いをするために作られた楽園だ!
もちろん、人間なんていないよ!
人間はとっくの昔に原爆が原因で絶滅したのだ!!
だから、動物たちが今、世界で最もえらい存在になっている。
――そして、そんなみんなの理想の楽園、ピュアフレンズでは最近、あるものが流行っていた!
それは、この世界で一番速い動物を決める年に一度の特大イベント。その名も、『爆速!動物50メートル走!!』である。
その試合に今年出場するのが、さっきの物語で出てきたかめとうさぎだ。
彼らは一体、どんな楽しい試合を見せて、どんな化学反応を起こせてくれるのだろうか?
二人がこれから巻き起こす吃驚仰天物語にどうぞ、ご期待下さい!!!
(次のページから本格的に本編が始まるよ→)
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