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花の国の新たな様子
こうして、王女ジゼルと国王ピエールの暮らしに王子ライナーが加わった。
ライナーは賢く、武術も得意だった。
彼に教えを施す者たちが「王子殿下はとても優秀でいらっしゃいます」と言うたび、ジゼルは誇らしく、嬉しい気持ちになる。
また同時にジゼルもいっそう勉学に励むようになったのは、「義弟は優れているのに義姉はさっぱりだ」と言われないようにするためだ。おかげで周囲の評判も落ちてはおらず、ライナーからも「義姉様はすごいですね」と尊敬の眼差しをもらえているので、義姉としての面目は保たれているらしい。
ただ一つ。
ジゼルがライナーの話を聞きたがることに関しては、もしかしたら周囲から呆れたり笑われたりしているかもしれないなと思う。今まで聞いたことがない内容はもちろんのこと、既に知っている話であっても、ジゼルは何度でも聞きたい。
「それで? もっと他にライナーの話はない?」
と催促を繰り返すジゼルの姿はすぐに城内でも有名になり、瞬く間に「弟が大好きな姉」との地位を確立した。
しかしそれは当たり前のことだと思う。ジゼルはずっと弟や妹が欲しかった。おまけにそれがライナーのように素直で優秀で愛らしい弟なら、好きになるなという方が無理な話だ。
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