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「こなつさん、ダメだ! それはただの堆肥じゃないから!」
俺の制止を振り切って、こなつさんは雄々しく振りかぶって、固く団子にしたソレを婚約者と名乗る男に投げつける。
「こなつ、やめてくれ。僕が何をしたっていうんだ」
「何をしたですって?! まだ言うんですか! 帰れ! 帰って!」
こなつはまた足元の肥料を拾って握ると、男めがけて投げつける。
細腕のくせに抜群のコントロールだ。馬鹿高そうな男の白い麻のスーツに着弾して茶色の跡が付く。
カッコいい仕草で防ごうとしたのがさらに悪かったようで、二投目の団子は砕けて男の全身に飛び散った。
「こなつさん、やめてあげて! それ馬糞なんだ!」
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