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その後、何故か、店員におすすめの服を強く進められたり、
道を歩けば、女が騒いでいた。
「あの人めちゃタイプー。」
「マジ?一番背の高い人、まじかっこいい。」
「名前だけ聞こうかなあ。」
「真ん中の女の子、キルメニイ先輩じゃん。」
「マジ美貌分けろって感じ。」
海月は、どうやら、ちょっとした有名人のようだ。
海月は、というと、真顔で前を向いている。
「あの頃の玄瑞のようだな。」
九一の言う、あの頃。
1864年、元治元年の京で玄随は、有名人だった。
「街を歩けば、壬生狼に追いかけられ、
鴨川のほとりをを歩けば、町娘に騒がれ、
藩邸を歩けば、晋作においかけられ。」
「いやあ、懐かしい、愉快な日々でしたねー」
「玄瑞だけだと思うが。」
「そうですか?」
笑うと、人の良さげな垂れ目がちの目が目立つ。
それでいて爽やかな笑みなのだから。
「あっ、晋作くんたちではないですか??」
「藍が疲れ切ってるね。」
「・・・お腹が空いた。」
「男でしょ。我慢したら。」
「確かに小腹が空きましたね。」
やっぱり、玄瑞は、話すと体力を消耗する。
これもあのころから変わらなかったりする。
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