罪と罰と何か

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麗香を罵る者たちはたびたび正門付近に現れた。 問題解決に向けて一聖とひかりだけでなく、仲良しの史学科の川越夏奈と春日秋信も加わった。 「台本はこんな感じでどう。あと、撮影場所」 ひかりが手早く文章を考える。 「空いた教室でいいんじゃないか?」 「ね、あと、河村さんを綺麗にしたいな」 「え?」 「そうね、夏奈。河村さんの眉整えてあげて」 「オッケー。あと、髪型買えちゃおう。成増駅近くの美容院のアンビシャス行きましょう」 「え?え?」 麗香が戸惑っている間もなく、夏奈は麗香のモジャモジャの眉をスッキリさせ、アイブロウで整える。目立たぬオレンジブラウンの口紅もつけた。印象がガラリと変わった。 「ようし。レッツゴー!」 一聖が気合いを入れた。 アンビシャスはちょうど空いていて、しかも一聖も行きつけの店だから話は早い。 カシャカシャと美容師がハサミを動かし、すぐに麗香の重い髪型がスッキリした。 「あと、このシャンプーとコンディショナー使ってみてみて。髪質が変わるから」 鏡に写る自分に麗香は驚いた 「これ、私?」 元の顔立ちが整っていたこともあり麗香は大変身した。 「そう、河村さんはこんなにイケてたの」 夏奈も笑顔になる。 「私、ずっとヒドイこと言われていて」 「不細工なおじさんでしょ、その人。信じちゃダメ」 「まずは作戦その一、大成功ね」 ひかりが言った。
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