アンドロメダの誤解

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アンドロメダの誤解

夏休みが終わり、2学期になり…。 同時に、10月開催の文化祭準備も始まった。 私は「民俗学研究部」というマイナーな部活に所属しているので、文化祭の展示用ネタを、考えているところだ…。 「民俗学研究部」のメンバーは、誘ってくれた中学時代の先輩、オリエンテーションで同じAグループだった佐藤よし枝さん、それと私…の3人。 佐藤さんは、オリエンテーションのときにチラッと話したら、民俗学?すごく興味ある!と言って入部してくれたのだが。 佐藤さんは、「水木しげる」しか興味がなかった…。 ううぅ…そっちかぁ。 というわけで、文化祭は『妖怪』がテーマに決まった。 3名で人数が少ないのもあり、1つの教室を丸ごと借りられないと聞いていたが。 まさか「天文部(5名)」と共同で、教室を使うことになったのにはビックリした。 須藤瑛茉は現在高3で受験生なので、文化祭が終わったら部長を引退するはずだ。 そうなると4名になる。 環菜も一応部員らしいが…活動しているところを見たことがない…。 さっさと辞めればいいのに…。 渓は本当は、天文部に入りたかったのだろう。星が好きだから。 民俗学研究部を手伝ってくれない?という理由で、一緒に作業をお願いしてみようかな。 そうしたら同じ空間で、山センとも話す機会が増えるよね。 心のどこかで、渓を山瀬先生とくっつけようと…する私がいる。 渓が好きなのは山センなんだから。 それくらい、いいんじゃないかな…と思ってしまう。 吉岡と渓は、席が離れてしまったのもあり、あれから進展がないようだ。 吉岡は県大会の練習で、毎日忙しそうで大変だからそれどころじゃないのだろう。 見守ることはしても、 もう積極的に……2人の仲立ちはしたくなかった。 渓はどこの部活にも入らず、缶詰工場のバイトを今も続けている。パートのおばちゃんたちに気に入られて、最初は断っていたけれど「週に2回でもいいから続けなさいよ」と言われたのだとか。 親に反対されたけれど、部活をやらない分、バイトを頑張りたい、と説得したって言っていた…っけ。 うちの高校はバイト禁止じゃないし、お金がもらえるのはかなりいい。 てか、かなり羨ましい。 私も…冬休みに、郵便局のバイトしようかな。
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