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「という事があってね。その楓先輩と蒼ちゃんが少し似ている所があったから心配だなって話を麻耶にしたらこうなったわけ」
ようやく落ち着いたのか麻耶は赤い目をしたまま顔を上げていた。
「蒼、最近連絡しても返信少ないし、学校内で会っても忙しいからってすぐどこかに行くから心配で。最近はずっと怖い顔しているし」
「蒼ちゃん、何かあったなら話だけでも聞かせてくれないかな?」
「就職活動は失敗できないから少し焦っていて、親からは大手企業に就職できるようにと圧力を掛けられているのがプレシャーで出来る事は可能な限りやりたくて」
「でも蒼はインターンシップも決まっているし、成績も相変わらず上位だから問題ないじゃん」
「それでも抜かりなくやりたくて。あとは集中していると余計な事を考えなくて済むから少し予定を詰めているだけだよ」
「余計な事って?」
「それは・・・その・・・やりたい事って考えるとテニスが好きだからそういった仕事がしたいなとか・・・あとは・・・その」
「蒼ちゃんにしては歯切れが悪いね。もしかして彼氏とか恋愛の事も関係している?」
彼氏、恋愛。その言葉だけで顔が熱くなってしまう。
「えっ! 蒼彼氏できたの? いつ? どこで知り合ったの?」
「・・・いや、その・・・」
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