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自分なりの課題を見つけ、改善するための勉強もした。麻耶は人づきあいがうまいので観察していると怖いと怒られてしまった。
年が明けると本格的に就職活動が始まり、そこからは毎日のように書類提出日や面接、大学では卒業論文に追われた。
不採用のお祈りメールが来るたびに気が滅入ったが落ち込んでいる時間もない。少しでも前に進まなければ。
夏休み前の教授との面談の日、何度目かの修正をした卒業論文を持って教授室へと向かった。
「うん、さすが藤牧さんだね、卒業論文はこれで合格だよ。素晴らしいね」
「ありがとうございます」
「あとは就職活動の報告レポートも読ませてもらったよ。大手企業から内々定をいくつかもらっているようだし問題ないんじゃないかな。あとは正式な内定が出るだけだよね?」
「はい、そのように企業の方から連絡を頂いています」
「それは良かった。どの企業にするか最後までゆっくり考えたらいいよ。自分のやりたい事も見つけられたようで安心したよ。藤牧さんは成績も優秀だから卒業も問題ないし、残りのゼミも頑張って」
「はい、ありがとうございました」
面談が終わり、これでようやく夏休みになる。
一息つきたい所だが、何となく気持ちはもやもやとしていた。
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