フィッチ ～ あなたはどっちを選ぶ？ ～

28th

『明日７時に家の近くのコンビニに迎えに行くけど、予定は大丈夫かな？』

１年先送りにしていたデートをようやく現実にする日がきた。

あれほどワクワクしていたのに何だか気持ちが晴れないのはなぜだろう。

『大丈夫です。よろしくお願いします』

当たり障りのない返事をして準備を始めた。早めに寝なければと思うのに考え事をすると眠れない。

アラームの音で目を覚ましたが、体が重く、寝不足だったなと実感したが、顔を洗って気合を入れるように支度をした。

時間の少し前にコンビニに着くとすでに車が見えた。

「おはようございます」

「おはよう、飲み物好きな方飲んでね」

「ありがとうございます」

目的地は隣県の海浜公園のヒマワリがちょうど満開という事で見に行くことになった。

日帰りで行くにはちょうど良い距離で、天気も良く安心した。

もやもやした気持ちを振り払うように他愛もない話をしていた。

目的地に着くと自転車をレンタルすれば手軽に園内を周れるようなのでそれを利用する事にした。

夏の日差しは暑いが、自転車で風を切っていると快適だった。