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黄色のヒマワリと青い空と白い雲、これぞ夏といった景色を見ていると自然と上を向いていた。
「大丈夫? 疲れていない?」
「はい、自転車で走っていると気持ちいいですね。景色もいいですし」
「それならよかった。そろそろお昼ご飯にしようと思うんだけど、それから遊園地のエリアに移動で大丈夫かな?」
「そんなに気を使わなくていいですよ? 住吉コーチも楽しんでくださいよ」
「楽しんでいるよ。一応確認しただけだし」
「怒っています?」
「違うよ、行くよ」
再び走り出した住吉コーチを追いかけるようにペダルを漕ぎ、後ろを確認しながら走ってくれる優しさに気を使われているんだなと感じた。
悪い意味ではないが、なんだか子供扱いされている気分だった。
食事を済ませてから次は観覧車に乗ろうと言われ並んでいるが少し緊張していた。
観覧車と言えばデートの定番かもしれないが、高い所で揺れる観覧車は少し苦手なのだ。
順番が来て乗り込む時に揺れ、急いで座って深呼吸をしているとどんどん高くなり景色が広がっていく。
「海が見える。さっきのヒマワリも見えるかな?」
「・・・・・・うん」
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